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今週読んだもの

コロナウイルスのため、大人しく家で黙々と本を読んでいました。

覚書のため軽く感想を書いていきます。

 

『故郷・阿Q正伝』 

故郷/阿Q正伝 (光文社古典新訳文庫)

故郷/阿Q正伝 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者:魯迅
  • 発売日: 2013/12/20
  • メディア: Kindle
 

 中学の時に故郷を読んだことを思い出し、ついAmazonでポチリ。

阿Q正伝ってこういう話だったのね〜。弱者である自分を認めず、自分よりさらに弱い者には強く当たり、強き者には歯が立たないので「精神的勝利法」(要は言い訳)で勝ち誇った気になり、現実の自分の姿と自己評価がどんどん乖離してゆく。魯迅は中国民衆の批判としてこの阿Qというキャラクターを創作したようだけれど、今の社会にもこういう人いるじゃないですか(また自分自身もそういう時あるよね)。戒めとしてこの物語を読みました。

 

『地球星人』

地球星人

地球星人

 

 少女期に性を搾取されて、性への興味は大人からタブーとして抑圧されたのに、ある一定の年齢をすぎると恋愛・生殖行為を強制的に課されるこの社会システムに違和感を覚える主人公。この社会に馴染みきれない主人公は自分を他の惑星からきた生物と定義し、それに対して社会に馴染む人間を「地球星人」と区別する。主人公以外に「地球星人」に馴染めない、他の惑星からきた者同士でひっそりと共鳴しあい遂にはコロニーを作り…と物語が進む。これだけ読むと性に対する社会通念を浮き彫りに赤裸々に書いた小説とお思いだろうが、村田沙耶香は天才だ。他の作家と違う。

本当にこの作家は狂ってるんじゃないだろうか、と疑うような描写が終盤で続く。間違いなくこの小説、実写化不可です。終盤の描写がなければ一般受けする小説だっただろうに、ラストのおかげで性に対する社会通念を完全に破壊しています(正直吐き気を催す)。

 

村田沙耶香氏と西加奈子氏のインタビューを見つけた。

案の定村田氏が西氏から変わり者扱い受けてて、ちょっと笑える(笑)

村田市の作品、西氏の作品の雰囲気と全く違うもんな。西氏が変人扱いするのわかる気がする。二人が中国旅行行ったときのエピソードなど裏話も笑える。

 

インタビュー記事

https://www.bookbang.jp/review/article/517015

 

まとめ

古典一冊と最近の小説一冊読めて、バランス図りました。

魯迅の方は光文社の新訳で、原文に忠実に訳すことを意識しているようです。個人的には意訳がバンバン入るより、多少日本語として不自然(プロの翻訳ではありえないですが…)でも原文の意味に忠実で注釈で補う方が好きです。あとがきでも魯迅の生い立ちや経歴が書かれているので、勉強になります。魯迅が芥川の小説をオマージュしている点を挙げられていて、確かにそうだなと納得する部分もありました。

村田沙耶香はコンビニ店員の時に知ったのですが、この作品のいい意味での「ドギツさ」は凄かった。他の作品も是非開拓するぞ〜。